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落ち込んでいるからこそ、心に響く言葉がある。

 社会人になって5年目、少しずつ大きな仕事が任されるようになってきた。業績も出せる様になってきて、上司や先輩の期待も感じるようになっていた。社内での評価が高まっていると、自分でも感じていた。そして毎年恒例のイベントがあり、その責任者を任された。大抜擢だった。完全に有頂天だった。そして馬鹿になっていた。
 上司や先輩の「いつでも相談に来いよ」という言葉に対して、「任せてください。大丈夫です!」と笑顔で応えていた。今思うと完全に天狗になっていた。今までのイベントの企画書を参考にし、自分なりの企画を加え、企画書を作成し、プレゼンに挑んだ。
企画書を見るなり、上司が一言「駄目だ…」。その一瞬で、真っ白になってしまい、しどろもどのプレゼンに…。企画にばかり意識がいってしまい、予算がハチャメチャだったことを、みんなの前で指摘された。「穴があったら入りたい。いや、穴がなくても入りたい」状態。結果は惨敗だった。
 上司と先輩に呼ばれ、「今日は朝まで説教だ!」と、居酒屋に連れて行かれた。覚悟は出来ていた。席に座るなり、二人は大爆笑。先輩は「落ち込め、落ち込め!」と、笑顔で。上司は、「今日は飲め!」と大笑い。余計に落ち込む、自分の姿を見ながら、上司が一言、「今のお前には、必要な経験だった」と。「今、お前完全に有頂天だからな」と先輩。
 突然、上司が声のトーン低くし、次のメッセージをくれた。そのメッセージは、今の自分の軸になっている。

「どんな奴でも失敗する。俺だって、お前に言えない様な失敗を何度も何度もしている。それが俺の今を作っている。いわば、仕事の糧だ。成功の糧だ。今日の失敗は、お前を育てる大きな糧だ。お前の良いところは、みんな知っている。そして、評価もしている。これからも、これに懲りずにどんどん挑戦して、どんどん失敗しろ。」

 その時自然に、「事前に、しっかりと相談せずに、大変申し訳ございませんでした」という言葉が出てきた。先輩が「その学びが大切だ!」と、握手してくれた。細い先輩だが、とても大きく、厚い手に感じた。

 あれから15年。今、俺も部下を抱えている。部下が失敗した時には、上司の言葉を自分なりにアレンジし、声のトーンを低くして伝えている。

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最終更新日:2017-08-16 12:19

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